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ファーストレディ・安倍昭恵の考え方。(2)

わたしにできること。自分自身と日本を知る、昭恵さんの学びの旅



2007年

2007年、第一次安倍政権は参議院議員選挙で敗北し、安倍総理は体調悪化のため、総理大臣を辞した。
これが昭恵さんの人生にとってもひとつの転機であったという。「辛い時期でした」と当時を振り返る。

「主人は一年間、一生懸命やっていたんですけれど、結果的には途中で投げ出す形になってしまった。病気の中の非常に苦しい選択で、やりたいことがあったにも拘らず、途中で辞めざるを得なかった。それはなかなか伝わらない」。もちろん政権を途中で投げ出したというバッシングもあった。

入院中、政治家引退をも勧めたという。しかし首を縦には振らなかった。首相官邸を去るときが人生で最も辛い時期だったという。

 「他にやりたいことがあれば、そこでまた人様のお役に立てることもある。それもそうだな、みたいなことを言っていたこともあって、これまでと違った新しい人生もいいかなと少し考えました。私も私の人生をもう一度、見つめ直してもいいかなと」。政治家の妻ということだけでなく、ひとりの女性として、ひとりの人間として、立ち止まってみる時間ができた。「出雲大社にお参りするところからはじめました。日本の国のことをもっと知りたい。平和のために自分の役割があると感じたんです」。
 
時間ができた昭恵さんは、これまで触れてこなかった日本をもっと知ろうと思い立つ。


日本の古い神社をめぐる旅

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出雲大社を訪れたとき「雨が降っていたのだけど、着いた瞬間に晴れ渡ったんです」。

出雲大社は、天照大神(あまてらすおおみかみ)の子の天穂日命(あめのほひのみこと)を祖とする。縁結びの神様としても知られ、「縁をつくる神社」「縁を結ぶ神社」ともいわれる。その後さまざまな神社を訪れるが、それは自分自身と日本を知る学びの旅となる。

熊本県にある幣立神宮(へいたてじんぐう)の五色神祭にも参加した。

「ここに奉(たてまつ)られる青赤白黒黄の五色の神様は、世界のさまざまな人を表しているともいわれています。むかし世界は一つだった、そしていま再び世界が結び直されるという祭りです。そこで平和のご挨拶をさせていただいたんです。そして、こうしていることの役割は何なのだろうと思ったんですね」。

「日本の平和のために自分の果たす役割があるのではないか」。昭恵さんはそこに自分の天命があるように感じるようになる。




自分自身と日本を知る学びの旅

その後、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科へとすすむ。修士課程修了、修士号(比較組織ネットワーク学)を取得した。これまで政治家の妻としては経験することのなかった、さまざまな学びがそこにはあったという。

「群馬県上野村に、内山先生という方がいらっしゃるんです。里山に住まい、エネルギーも食べ物も自給して、村の人たちと交流しながら暮らしている哲学者です。そこには多くの共感するものがありました。昔ながらの土地には、山に神様がいて、ひとが住み、里ができ。そんな日本に本来あったコミュニティを取り戻したい」。昭恵さんはそんな暮らしを大切にしたいと考える。

「関係性の再構築」という流れが日本に生まれつつあって、それが3.11によって加速した、と内山氏は語っているという。社会が変化し始めているのだと。

「立教の授業のなかで屋久島に行き、自然の中で正直に今までの人生を書き出すというワークショップがあったんです。出会った人を言葉にして年表にして書き上げていきました」。

屋久島での体験は、人生における大切な出会いや人との関係性を見つめ直すきっかけになったという。そして自分を支えてきてくれた人や経験に深い感謝の気持ちが芽生えた。



日本人の精神性

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2012年、自民党は衆院選で勝利し、政権与党に復帰。同年、安倍晋三氏は第96代内閣総理大臣に就任し、第2次安倍内閣が発足した。一度政権を手放した後、もう一度首相に返り咲いたのは吉田茂以来、ふたり目である。

「これはもう天命だと思います。何か役割があって、再びやることになったのだと。人びとの意識が、価値感が変わってきている。ことしは出雲も伊勢も遷宮があり、富士山も世界遺産になり、日本にとっては特別な年だった思います」。今、昔ながらの日本人が持っていた精神性を取り戻しつつある。昭恵さんはそう考えている。「地球が危機的状況にあるなかで、古い神様たちが動き出してる、ということを言っている人もいます。私もそんな感じがするんです」。



愛で世界を変える

「今こんなにインターネットが発達している中で、軍事力で平和がつくれるという世の中じゃないですから、普通に考えたら昔のような形の戦争は起こりにくいですよね」と話す昭恵さん。「自分の国は守りたいとは思っているけど、本気で平和のことを考えていないんだろうなって思っちゃうんですよね」。

古来日本では剣は単なる武器ではなかった、それが象徴する精神性が重要なのだ。
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「剣は天と地を結ぶもの。相反するものを合わせるという役割があります。平和をつくっていくためには、一人ひとりの心の中が愛で満たされて、平和にならないとと思っています。みんなつながっている。だから、一人ひとりが自分の心の奥を内省することが大切だと思うんです」。



アジアの平和のために

そんな昭恵さんの心は今、アジアの平和構築に向いている。

「軍備にお金をかけるのもいいけれど、他の国の子供たちとかどんどん呼んじゃって仲良くなって、実際に平和をはじめちゃうのがいいんじゃないかと私は思うのね」。中国・韓国との首脳会談実施のめどが立たない中、2013年10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領と笑顔で握手を交わし、同じく11月は訪日した中国の高校生らの歓迎会に出席した。「甘いと批判されるかもしれないけれど、全ての人や国と仲良くしたい」。

昭恵さんの「ファーストレディ外交」。タフなネゴシエーションの場である国と国との外交にあって、昭恵さんは自分らしいやり方でそれを支えている。

「具体的にこうしようということよりも、自分の中にある『光』を伝えるイメージ。例えば、海外で大統領に会ったときも、自分の中にある『光の部分』を届けたいと思っているんです。口で話すのではなく、イメージとして『光』を与える」。




愛って何?

昭恵さんは「愛」という言葉を大切にしているという。「愛」で世界を変えるとも話す。では、その「愛」とはどんなものなのだろう。

「愛はあげるものではなく、すべてを受け入れるという感覚。私はどんな人でも完全に悪という人はいなくて、どこかに光があると思っているんです。そこをつないでいきたい。少年院に入っている子たちと話しをしたことがあるんだけど、前科百犯みたいな子でも、一人ひとりを見つめると皆いい子なんですよね。演じているわけではなく、ボタンを掛け違えてしまって、そっちに行くしかないと思ってしまっている子もいる。大人を信用していない、常識がわからない、発達障害の子もいます。包み込むことが大切」。

性善説といってよいのだろうか。人を信じる気持ちを大切にする昭恵さんの人との接し方だ。しかし、そのような昭恵さんに対して、ネット上では時折バッシングが起きる。炎上することもある。昭恵さんはそれをどのように捉えているのだろう。



批判が応援に

「批判する人たちも話しているうちに変っていくことがあるんですよ」。以前、フェイスブック上で昭恵さんの行動を批判する人がいた。私生活について「『勝ち組』の生活だ」「夫婦そろって世の中の空気が読めていない」というものだった。「世の中どれだけ大変なのかわかっているのか、という厳しい批判だったんです。実際はもっときつい言葉で」。

「どうしてこんなに批判するんだろう。ぜんぜん知らない人なわけだから無視すればいいのに、批判するということは気になるということなのだろう」。

昭恵さんはその批判主のタイムラインを頻繁にのぞくようになった、するとその心が少しづつわかっていく。

そして自分から相手にメッセージを送ってみた。やりとりが繰り返される。夜中にバトルもあったという。対話を繰り返すうちにやがて「アッキーがんばれ」というメッセージが来るようになった。

「いろいろなんだけれど、メッセージを送って批判し続ける人はいないんですよ。対話をしているうちに消えていってしまう人もいるし、逆に応援団になってくれる人もいる。すべては『役割』だと思っているので、批判をする人は批判をする役割がある。私もそこで気づかせてもらっているし、すべては神様が与えてくださったんです」。

「そうは思えずにカチンとくることも多いんですけどね」と昭恵さんは笑った。

※取材は2013年12月、渋谷にて


(つづく)
第3回は6月24日(火)公開予定


ファーストレディ・安倍昭恵の考え方。 連載目次
第1回
第2回
第3回


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